![]() |
ITC近畿会は、NPO(特定非営利活動)法人に向けて大阪府へ申請中です。 NPO法人の意味、申請の手続き、会員種別、運営上の課題などについて、榎本龍彌副会長にインタビューを行ないました。(HP委員会 若松) |
■ NPO法人とこれまでの任意団体との違いは何でしょうか?
榎本副会長:団体に法人格がない場合(任意団体)は、当該団体が権利義務の主体となることができず、当該団体の名義で契約を締結することができなかったが、法人格を取得することにより、権利の主体となることができ、契約の当事者となることができます。さらに、社会的信用性が高まることが期待でき、補助金、助成金の交付や公共団体からの委託事業の受託に際して有利になると思われます。一方で、法人格の取得に伴う責任も発生します。特定非営利活動促進法(NPO法)や民法などの法令の規定に従う必要があり、情報公開の義務や納税の義務も発生します。自らが制定した定款の規定にも従う必要があります。
■ 非営利組織という意味について教えてください。お金儲けをしてはだめなんでしょうか?
榎本副会長:「非営利」とは、活動によって得た利益(剰余利益)を法人の構成員に分配しないということです。営利を目的とした株式会社の場合は、構成員である株主に、利益が出ればこれを株主配当という形で分配しますが、「非営利」の場合は、剰余利益は繰越されて次年度の事業のために使用されることになります。「非営利」は利益・財産の非分配性を意味するだけであって、サービスの無償性を意味するものではありません。有償でサービスを提供することは、「非営利」のNPO法人であっても何ら問題はありません。NPO法人は、「非営利」な団体として、利益を構成員に分配せずに特定非営利活動に再投資しつつ、有償の活動も行って、組織としてのさまざまな費用を賄うことができる団体です。
■ 昨年11月の臨時総会でNPO法人化に関する議決が採択されましたが、その後NPO法人の申請のためどんな手続きを行なっていますか? また、NPO法人の認可はいつ頃になりますか?
榎本副会長:NPO法人を設立するには、まず、設立しようとする人(設立者)が設立趣意書、設立者名簿、定款案を作って、趣旨に賛同する人を募り、設立総会を開催します。総会で法人設立の意志決定を行い、その会議の議事録を作成します。そして申請書類を整えて設立認証を所轄庁(ITC近畿会の場合は事務所所在地が大阪府であるため大阪府知事)に申請します。所轄庁に申請した後、2カ月間縦覧に供され、その後所轄庁において審査し、申請後4カ月以内に認証又は不認証の決定が行われます。
私たちは、定款案を作成後、大阪府生活文化部NPOグループで内容を事前にチェックしていただき、定款完成後の昨年12月3日に申請をしました。2カ月間の縦覧期間を終え、現在は大阪府で審査中です。3月下旬には認証が決定されると思います。
■NPO法人の認可後は、どんなことを行う必要があるのでしょうか? 第1回目の総会開催もあるのですね ?
榎本副会長:所轄庁(大阪府)での認証決定後に、法務局へ設立登記を行って、初めて「NPO法人ITC近畿会」が成立します。設立登記後、所轄庁への設立登記完了届出、関係官庁(府税事務所、大阪市役所等)への届出、閲覧資料の所轄庁への提出などを行います。
NPO法人ITC近畿会としての第一回総会は、6月12日を予定しています。ここで、新役員の選出と、平成22年度の事業計画・予算などの審議をしていただく予定です。
■会員種別に正会員と賛助会員が設けられますが、正会員はITCでなくてもよいのでしょうか? ITCになる前の人、元ITCの人はどうなりますか? そういう人は正会員ではなく賛助会員になるのでしょうか?
榎本副会長:正会員をITCに限定することは、NPO法で認められていません。NPO法で定められているNPO法人としての要件のひとつに「社員の資格について不当な条件をつけない」があります。そのため、「NPO法人ITC近畿会」定款の第7条(入会)で、「会員の入会については、特に条件を定めない。」「理事会は、正当な理由がない限り、入会を認めなければならない。」と定めています。
賛助会員は、支援団体(公共機関、企業、団体)を想定しています。
■NPO法人として現在200名弱の所帯で大丈夫でしょうか? もっと増やして規模を大きくしないと財政的に厳しいのでは?
榎本副会長:NPO法人の規模としては、他のNPO法人と比較して、現在の会員数で決して少な過ぎることはありません。会員数が増えることは望ましいことですが、財政面では、支出の更なる抑制、収入に結びつく事業の実施なども含めて多面的に検討することが必要かと思います。
■NPO法人として運営上の難しさというのはあるのでしょうか? 特に、お金と人のマネジメントがポイントになるように思いますが。
榎本副会長:NPO法人とこれまでの任意団体との違いの項で説明したとおり、法人格の取得に伴う責任が発生し、責任ある行動が求められます。任意団体時よりもさらに厳格に法令や定款に従う必要があり、所轄庁の監督を受け、各事業年度終了後に事業報告書、収支計算書、貸借対照表、財産目録を所轄庁に提出し、関係者への閲覧に供するなど情報公開も求められます。
納税に関しては、NPO法人の場合は、法人税法で規定されている「収益事業」を行わなければ、法人税は非課税で、地方税の中の事業税も非課税となります。さらに、大阪府および大阪市では、減免申請をすると住民税均等割も減免されます。法人税法で規定されている「収益事業」以外の事業を実施して収益を上げることは問題ありませんが、法人税法で規定されている「収益事業」を行うことで収入を増やすかどうかは、納税額との兼ね合いで判断する必要があります。
この記事にはトラックバック・コメントがありません。